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2022.07.06

公共空間をユニークに、大胆に使おう!「オープンストリート静岡会議」

 

 

2022年6月10日、静岡駅からほど近い商店街の中、大きな壁画が目を引く屋外広場で「オープンストリート静岡会議」を行いました!雨もぱらつく曇天にもかかわらず、立ち見も含めて総勢約60名の方にご参加いただきました。建築設計事務所勤務の方、静岡の街づくり団体の方、福祉関係の仕事をされている方など、静岡のストリートに関心を持つ多くの方がまちの広場に集まりました。また当日は、偶然にも「歩行者天国の日」。会場は、道路を人に開いていこう、という熱気に包まれるイベントになりました!

 

 

 

アートで、人と人がつながる場所「ARTIE」ができるまで

 

初めに、今回の会場となったARTIEを経営する江崎亮介さん(静活株式会社代表取締役専務)よりARTIEについて紹介がありました。
ARTIEは、2022年2月にオープンしたばかりのエンターテイメント拠点。ストリートに面したアートガーデンと呼ばれる広場、屋内にはホログラムシアター、ボーリング場、飲食店などが入った複合施設です。


 

司会のほこみち広報アドバイザー山名清隆さんが、江崎さんに聞きたかったことについて早速質問しました。それは、「まちなかのど真ん中の立地にもかかわらず、なぜ民間企業がアートガーデンのような広場を大きくつくる開発をしたのか?」ということ。江崎さんは曰く、これは「法定再開発に対するアンチテーゼ」だといいます。まちなかで行われる再開発のフォーマットでは、低層部に商業、高層部にホテルや住宅をつくる計画になりがちです。しかし地方でこのような再開発を繰り返すと、まちなかがマンションだらけになってしまい、また、地域のエンターテイメントの需要に応える上での制約になってしまうことも。そこで、海外の商業施設を参考に「アートはまちづくりと相性が良いのでは?」と考え、建物全体をアートに包んだ低層エンターテイメント施設を誕生させました。


「『通りが発展する施設』というテーマでARTIEを作った」という言葉どおり、ストリート、そして市民みんなに開かれた施設となっています。

 

 

また、アートガーデンのような広場に対するまちの人たちの反応は?という質問に対しては、「当初の想定を超えた使われ方をしています。特に、親子連れがこんなにくるんだということと、静岡にイベントをやってみたい人がこれほどいたということに驚きました!」ということでした。みんな、実はこんな場所がほしいと思っていたんですね!

 

 

道路が「生活をさらに楽しくするための空間に!」ほこみちマインド


続いて、国土交通省道路局環境安全・防災課でほこみちを担当している嶋田博文 沿道環境専門官から、ほこみち紹介プレゼンテーション。

 

 

嶋田氏曰く、”ほこみちマインド”とは、「目指すのは、道路空間によって周りの街とつながることでステキな空間にしていくこと。道路はみなさんの生活の一部であり、さらに楽しく過ごすための空間になるということ」。

 

 

また、ほこみち制度ができた背景や、現在は全国28自治体、77路線(2022年5月とりまとめ時点)に広がっていることなどを紹介しました。

 

 

ほこみち事務局では、昨年完成した「ほこみちマーク」の普及に向けても取り組んでいます。今は、全国約1200か所ある「道の駅」のように、そのマークを見ればほこみちだ、とわかるよう普及に努めていきたいと語りました。

 

 

そして、最後のメッセージとして、「道は人や車が通るだけの空間ではない。」「さあみんなで楽しくワクワクする未来の“みち”を考えてみませんか!」と会場に呼びかけました。

これまで、道路の整備や維持管理を中心とした道路行政ですが、行政のなかでも、ほこみちような考え方が浸透してきており、新たな風が吹きつつあるとのこと。これからの動きが期待されます!

 

 

静岡市で進むストリート活用・まちなかウォーカブル

 

次は、静岡のオープンストリート事情について静岡市役所市街地整備課の亀谷浩司氏から静岡市での取り組みの紹介がありました。


 

プレゼンテーション冒頭では、「都市こそ、人類を最も輝かせる共同作業を共にする場だ。人々は都市に集まり互いに学ぶことで新しいアイデアによるイノベーションが起こる」という言葉を引用して紹介。行政職員として都市、まちづくりに関われることが幸せだと語ってくれました。

静岡市での取り組みとしては、2020年から現在的に至るまで設置しているハニカムスクエアについて紹介いただきました。

 

 

ハニカムスクエア設置により、これまで静岡のまちなかになかったタイプの、とても絵になる空間ができたといいます。社会実験期間中、ハニカムスクエアで花の販売、園児のお散歩中の休憩スポット、大学生にとってのレポート作成場所など、様々な使われ方によってまちの活動や景色にも多様性が生まれたといいます。

また日常的に多くの方が休憩に使用しており、お弁当を食べたり、読書をしたり、さらには昼寝をしている人も見かけるそう。それをみて、亀谷さんはまちには「すきま」の空間が必要だと感じたといいます。

また、なぜハニカムスクエアの設置や、市民の方々に自然と受け入れられたのか?という質問については、「静岡市では、大道芸ワールドカップなど、道路を使った様々なイベントが毎週のように開催される土壌が染みついているからこそ」と感じているそうです。

 

また、もう一つの事例として駿府ホリノテラスの事例紹介がありました。
駿府ホリノテラスは、お濠の横にあったコインパーキングが廃止されたことを契機に、道路を広げ、水辺デッキを整備したものです。デッキ整備後は、マルシェや、ヨガなど、様々な人が活動する場所として利用されています。

 

 

 

また、青葉シンボルロードに整備した「常磐テラス」は、常盤公園前の空間にデッキを整備したものです。普段はお弁当を食べるなどほっこりとした空間が広がっていますが、イベンドをすると素敵な絵になることが起こっているといいます。

 

 

「これから財政的に厳しくなる行政にとって、公共空間は使われてなんぼ」と亀谷氏は言います。しかし、”使い方”という面では、行政の苦手分野でもあるといいます。市民・民間の人々と取り組みを一緒に進め、ぜひ様々な意見がほしいと参加者へ呼びかけ、締め括りました。

 

 

 

自由な発想が負けない時代に!ほこみちインスパイアトーク

 

 

続いて、ほこみち事務局によるインスパイアスライドトーク。全国、また世界のストリート活用に関係する事例を皆さんと共有しました。
ここでは、その一部をご紹介します!

 

 

続いて紹介いただいたのが一週間前に行われた横浜日本大通りのパーク化について。車道に人工芝を敷き詰めた実験が行われました。有名人を呼んでイベントをするのではなく、芝生をひいてのんびりできる空間を作ることが企業によって求つくられたということはこれまであまりありませんでした。また、ストリートでのイベントは空がVの字に切り取られ、奥行きが出ることの面白さも。

 

 

上野湯島では、街灯をハックしようというテーマのもと、街灯に小さなスタンドを設置し、飲み屋街に楽しい空間が作られています。怪しい町から健全な街へと街の空気が変わったといいます。

 

 

松本市では、各店舗の前にテーブルを出すシンプルな仕組みを「街場のえんがわ大作戦」と名付け、取り組んでいます。

 

 

神戸の時速5キロのモビリティについても紹介がありました。時速5キロで自動運転している乗り物にいつでも飛び乗れるというもので、開発者曰くそういった「役に立たない感じ」が最高に面白いとのことでした。儲かる気はしないものの、何もないところに突っ込んでいくところに魅力を感じると山名氏はいいます。

 

また、海外の事例では新型コロナ後のニューヨークを紹介。新型コロナによって、屋外の活用が進んでニューヨークでは、今までばらばらだった店舗が統一したモジュールで一つのストリートを作るようになりました。「ストリートで面白いことを楽しむ街」になったといいます。市民が自分で楽しもうというエネルギーが常識を変え、街を変えた例であり、市民が活動的に押していくことが大事な時代になっているといいます。

 

 

ほこみち制度が作られたことに象徴されるように、「自由な発想が負けない時代になった」と山名氏はいいます。ユニークであればあるほど、それは否定されることなく、大事だとされるようになってきたといいます。 大胆不敵なことをやろう!と呼びかけました。

 


オープンストリート静岡・アイデアトーク!

 

最後は、参加者の方々から、ストリートの使い方について自由にアイデアを語ってもらいました。

 

 

まっさきに飛び出したのは、「ストリートで商談をしたい」というアイデア。普段隠される商談を、あえて見せつけたい!という逆転の発想です。商談がうまく進むストリートというのも素敵ですね。

 

続いて、「インドアをあえて外でやる」という発想から、趣味の筋トレをするためのジムをストリートにつくりたいとのアイデアが!ARTIEの横にはキックボクシングジムもあり、健康になるストリート、筋トレストリートはすぐにでもできそうだと盛り上がりを見せました。

 

昼飲みが好きな方からはロングなバーカウンターが欲しいとのアイデア。立ち飲みスタイルでいろいろなバーテンダーを回ったり、逆にバーテンダーさんがまわったり、湯島の例との組み合わせもできそう、と想像が広がります。

 

 

そのほか、「自分でカスタマイズできるストリート空間」、「ストリート上で防災トイレ体験会」「昔の駅の伝言板のような、コミュニティをつくる交流の場」という提案など、次々とアイデアが飛び出し、マイクが回るたびにみなさん発想が止まりません!

 

 

ほこみちの可能性はこれからも広がります!

 

ほこみちマインド満ち溢れる方々に参加いただいたオープンストリート静岡会議。
ARTIEというまちなか広場の力もあいまって、わくわくした熱気に包まれた時間でした。

 

イベント中に感想を話してくれた参加者の方からは、「静岡市の方々が市民の動きに協力してくれるのを日々感じており、静岡の良さにはまっている」「ハニカムスクエアができたなと思いながら通る日があった一方で、何かわかっていなかったが、こういった話を聞く機会が良い」というコメントも。様々な立場・アクションをしている人たちが集い、語り合う場の価値を感じた夜でした。


今後も各地にほこみち事務局がお邪魔し、オープンストリート会議を行う予定です。ストリートがより自由で魅力的な場所になるよう、盛り上げていきます!

これからも、ほこみち事務局から様々な情報を発信していきます。フェイスブックなども是非チェックしてみてください。