ほこみち・道路活用事例をまとめて紹介!―ほこみちインスパイアセッション―<後編>

2022/12/14

2022年11月のほこみちインスパイアフォーラム2022で、全国各地から届けられたほこみち・道路活用事例まとめの<後編>です。

<前編>はこちらから

5.大垣市 まちなかテラス

岐阜県大垣市からのプレゼンテーターは、都市計画部都市計画課の川添秀和さん。コロナ占用特例制度の活用をきっかけにはじまったという「まちなかテラス」の取り組み紹介がありました。

「まちなかテラス」は、道路空間に限らず、エリア一体の回遊性の創出を目指し、みちを契機として広場、公園、水辺の利活用をワンパッケージとして実施していることが特徴です。大垣市が占用主体となり、都市計画課がワンストップで、道路管理者、市役所内の部署、活用したい主体(市民活動支援センターや商店街等)をつなぐことで、スピード感を持って対応することができているといいます。

また、「まちなかテラス」がきっかけとして、まちづくりを主体的に研究する市役所職員や、市内の事業者が連携してさまざまなイベントを行うことで、まちへの関わりしろが増え、まちを自分ごととしてとらえる人も増えていったそうです。

大垣市川添秀和さんのプレゼンテーション動画はこちら

6.静岡市 ハニカムスクエア

静岡市からは、都市局都市計画部 亀谷 浩司さんがプレゼンテーターとして登場。中心市街地は、徳川の時代からの城下町。歴史深い商都として、静岡市内では「おまち」とよばれているそうです。

まちの人と行政が約50年以上前から協力して、道路空間を活用していることもあり、大道芸道ワールドカップや、道路にグランドピアノを置いてバレエのミニ発表会が行われるなど、みちを自然と使いこなす文化が形成されているといいます。

また、ほこみち指定がされている路線では、道路を活用したサードプレイス「ハニカムスクエア」を実施しています。パーキングロットを廃止したパークレットで、地域の商店街、木材業協会、建築士の方など、さまざまな人との協力で制作・設置しました。

亀谷さんは、これから実践する人たちへのメッセージとして「小さなアクションからでもいいので必ず形にしてみることが大事だ」と実体験を語りました。

静岡市 亀谷 浩司さんのプレゼンテーション動画はこちら

7.官民連携支援メニュー紹介

国土交通省総合政策局の梶原ちえみさんからは、「ほこみちを始めたいけど、どうしたらよいかわからない」「もっと前に進めたい」という地域を後押しするための支援メニューの紹介です。

国土交通省の支援メニューでできる主なことは、以下などがあります。

  • 基本構想や体制づくり
  • 社会実験、結果分析
  • 事業者の公募準備
  • 道路占用指針案づくり

実際にほこみちのスキーム作りを支援した事例として、福井市の「ふくみち」(2022年3月ほこみち指定)、狛江市の「こまえわくわくストリートプロジェクト」、「トライアルパーク蒲原」、「OMIYA STREET PLANTS PROJECT」などがあります。ほこみちに関連して、実はさまざまな支援制度が用意されていることをわかりやすく整理したのが上の図です。事業のフェーズに合わせて、さまざまなメニューを使い分けることができます。

迷った時には、ぜひ「ほこみちよろず相談窓口」(国土交通省Webページ最下部より)に問い合わせてみてくださいね!

ちなみに、梶原さんのプレゼンテーションに登場するかわいいイラストは、ほこみちイラスト集から無料ダウンロードできます。こちらもぜひチェックしてみてください。

総合政策局の梶原ちえみさんのプレゼンテーション動画はこちら

8.時速5キロの自動モビリティ

スーパーインスパイアトークとして登場したのは、ゲキダンイイノ 座長 嶋田 悠介さん。嶋田さんが開発・提供しているのは、時速5kmで進む自動走行モビリティです。

ピョンと乗って、ピョンと飛び降りられるような、自由な乗り物として、時速5km以下の速度のモビリティに可能性を感じて開発をはじめたという、これまでにないモビリティです。実際に乗ってみると、ただ歩いているだけでは気づかなかったまちの風景に気づいたり、家族みんなでゆっくりと移動することができたり、新たな体験価値があるといいます。

ゲキダンイイノ嶋田さんのプレゼンテーション動画はこちら

9.パリ(フランス)

ほこみちプロジェクトで調査を行ったパリ(フランス)の事例を紹介したのは、ほこみちプロジェクト事務局の川合 智也さん。

パリのキーワードは、「自由」と「大胆」といいます。まちじゅうのパブリックスペースで、さまざまな工夫が凝らされており、パリの人々は仲間たちと、またひとりでも、豊かな時間を過ごしていました。こんな光景が、もし日本で、大阪で繰り広げられたら・・・そんな想像をさせるインスパイアトークでした。

ほこみちプロジェクト事務局の川合 智也さんのプレゼンテーション動画はこちら

いかがでしたでしょうか? ここまで、2022年のインスパイアトークでプレゼンテーションされた9事例をご紹介しました。

道路空間に可能性を見出し、小さな実践を積み重ねていくことで、まちは変わっていく。

そう感じさせてくれる、実践者のみなさんの生の声は全編アーカイブでも公開しています。ぜひ視聴してみてくださいね!