全国のカラフルなみち活事例大集合!ほこみち最前線 <後編>​​ ― ほこみちインスパイアフォーラム2023 ―

2023/12/28

「道はもっとカラフルでいい!」をテーマに、2023年11月30日(木)に開催された「ほこみちインスパイアフォーラム2023 ~みち活新世紀“みち”から始まるまちづくり~」。

今回の記事では、前編につづき後編の3事例を紹介!全国の実践者の皆さんからの生の声で、みち活事例とその背景や思いをお聞きした「ほこみち最前線」で紹介された、福山・虎ノ門・広場活用の事例と活動にフォーカスします!

まずはやってみる!ソフト・ハード両面から「懐の深い公共空間」を目指す福山

〈登壇者〉

吉岡  慎祐​​さん  /  広島県福⼭市 福⼭駅周辺再⽣推進課

広島県 福山駅周辺の公共空間活用について紹介したのは、福山市役所 職員である吉岡  慎祐​​さん。福山での事例についてソフト・ハード両面でそのポイントや成果について語ります。

まず紹介するのは、ほこみち制度を活用したまちづくり事例についてです。福山伏見町商店会​​が主体者となり、福山が生産日本一であるデニムの暖簾をかけた「デニム屋台」を8基​​設置。屋台の出店者を募り、まちへ新たなプレイヤー誘致やコミュニティ形成にもつなげる仕組みです。

続いて、居心地の良いハード整備を行った福山駅北口スクエア整備です。福山がバラのまちであること、日本一駅に近い城である福山城の立地である特徴を活かした整備事業です。元々駅北口エリアは憩いの場が少なく、道路などにより福山城等の文化ゾーンへの回遊性が阻害された状態でした。その状態を解消するために、芝生広場やバラ花壇の整備​​、車道と歩道の段差解消などを実施。道路と広場を一体的な活用ができるようにしたそうです。

最後は、福山駅前広場 再編事業について。福山駅周辺は現在、タクシー乗降場やバスターミナルなど交通の機能が集約されていますが、今後は人にとって居心地の良い空間に変えていこうと、協議会を設置し検討を進めています。

この計画実現に向けて、昨年2022年には社会実験を実施しました。現在のタクシー乗り場と待機場に芝生を設置し、広場空間を創出。

(社会実験の際に動画を作成!広場の上空からの様子です。動画は記事最後のリンク集からご覧ください!)

実施をしてみると、さまざまなひとの笑顔や、思いもしなかった取り組みも自然に生まれていったそう。吉岡さんは「まずはやってみることが大事だと実感した」と、手応えを語ってくださいました。

また、「ウォーカブルは車を排除することではなく、人中心にしていくこと。色んな人が、色んなことができる、懐の深い公共空間が必要。今年2023年3月には、福山駅前広場整備基本方針​​をつくったので、さらに福山での公共空間活用を推進していきたい」と、これからに向けての意気込みも語ってくれました。

このように、福山の事例や計画は、1つのまちの中でもさまざまな場所や課題に合わせた選択肢を提示してくれているかのような内容ばかり。ぜひ足を運んでみたくなりますね。

再開発を起点に地域を巻き込みつむぎ続けるエリアマネジメント・虎ノ門のほこみち

〈登壇者〉

横山 貴史さん​​   /  森ビル株式会社 タウンマネジメント事業部運営部 虎ノ門ヒルズエリア運営グループ 一般社団法人新虎通りエリアマネジメント事務局

この日、自治体職員としての登壇が多い中、民間事業者の立場から語ってくれたのは、森ビル 横山さんです。

今回紹介する虎ノ門エリアは、霞が関にも近く、高度経済成長期に日本の経済を牽引したエリアです。しかし、2000年代半ばの時点で周辺エリアよりも再開発が遅れており、この地で成長した企業が増床のため新橋・汐留等の近隣エリアに移転するなど、取り残された状況にあったと言います。この地域のポテンシャルを改めて引き出していきたいと、森ビルが取り組んだのが「虎ノ門ヒルズ」の計画でした。

全4棟ある虎ノ門ヒルズのうち、最初の森タワーが完成したタイミングである2014年、東京都による再開発事業で虎ノ門から新橋側に環状2号線の一部として、幅員40mの非常に広い「新虎通り」が整備されました。現在に至るまで、森ビルでは自治体・企業・地元の方々などと連携し、さまざまな団体を立ち上げながら、エリアマネジメントに携わっているそうです。

道路活用をスタートした2014年には、幅員の広さを活かし、歩道上に都市再生特別措置法​​ 特例道路占用許可で道路内建築という建物を歩道上に建設。道路に面する飲食店のオープンテラスをつくるなど、まちの賑わいづくりに1つずつ取り組んできました。

港区芝地区総合支所と官民連携で立ち上げた新虎通りエリアプラットフォーム協議会を中心に、新虎通りのエリアビジョンも策定。多様なひとの交流創出のために道路空間を活用しようと、さまざまな施策を考えています。

都道である新虎通りのほこみち指定は、この施策を実現するため必要だったそう。なぜなら、今までの特措法による占用ではイベントまでは行うことができなかったのです。そこで、今年2023年3月に都道として第1号のほこみち指定を受け、新たな取り組みにチャレンジしています。

第一弾として、4月・6月・11月には歩道上にキッチンカーや移動販売車を設置。オフィスワーカーを中心に多くの利用があったほか、週末は道路上に子ども向けの家具を設定して遊び場をつくり、近隣の家族連れ向けの施策も行いました。

「通常時の約2倍の人出となり、手応えも感じています。今後はこのエリア全体の回遊性も高め、さらなるまちの賑わいづくりをしていきたい。」と、横山さん。

デベロッパーならではの大規模な開発だけに終わらず、まちを育てていくことを大事にしている姿は、地道な関係者と連携した取り組みが道路活用において大切であることを改めて感じさせてくれました!

まちらしさは「道」にある!これからのほこみちに活かしたい広場ニストの視点

〈登壇者〉

山下 裕子​​さん  /   広場ニスト

最後の登壇者は、山下 裕子​​さん 。「広場ニスト」として、まちなかの広場活用方法について全国の数多くの自治体の支援などを手がけています。

今回掲げたのは、「道は広場になりたがっている」というテーマです。仕事柄、全国のさまざままちへ足を運ぶ山下さんは「まちを感じないと、パブリックスペースについて考えることはできない。まずは、まちを歩くことを大切にしている」と語ります。

山下さんのプレゼンは、身近な道で感じられる「まちらしさ」の数々で、どんなことにまちのカラフルさを感じるのか、その視点が盛りだくさん!道路空間を活用するなかで新しい企画だけでなく、地元を感じ、そして地元を伝える場所として、今あるモノ・コト・ヒトをどう大切にしていくのか。どんな仕組みがあると、自然とコミュニケーションが生まれるのか。ほこみちづくりのヒントがたくさんありました。

「道を、邂逅*の場にできたら、街はもっと、「今日も楽しかった」に溢れるのではないかと思って活動しています。」そう語る山下さん。

*かいこう:思いがけなく会うこと

テキストでは伝わりきらない内容はぜひ、本記事下部のリンクよりアーカイブ動画をご覧ください。読んでいただいている皆さんの住む・携わるまちの「まちらしさ」に思いを巡らせ、まちに飛び出していただけたら嬉しいです!

さいごに

後半の3事例、いかがでしたか?前編とはまた違った活用事例や推進する体制づくりや制度活用の仕方、そのまちらしさを空間づくりにつなげる視点など、多くの実践知の詰まったプレゼンばかり。

より詳しい背景や内容、実際の実証実験の様子などは下記アーカイブ動画よりご覧いただくことができます。ぜひ、皆さんのまちでのほこみち検討・実践にお役立てください!

関連リンク

 福山の事例をより詳しく知る

 EKIHIRO CREATIVE! 福山駅前広場を楽しむ社会実験(YouTube動画)

虎ノ門の事例をより詳しく知る

新虎通りエリアマネジメント ウェブサイト

https://shintora-am.jp/

広場二スト 山下裕子さんの活動をより詳しく知る

https://machinakahiroba.main.jp/