ほこみち・道路活用事例をまとめて紹介!―ほこみちインスパイアセッション―<前編>

2022/12/07

2022年11月に開催した『ほこみちインスパイアフォーラム2022』では、全国各地から、さまざまなほこみち実践事例のプレゼンテーションがありました。

この記事では、<前編><後編>に分けて、ほこみちインスパイアセッションの各事例をまとめて紹介していきます!

1.姫路市 大手前通り

まずは、ほこみちトップランナーともいえる姫路から、市道幹第1号線(愛称:大手前通り、以下大手前通り)の取り組みです。プレゼンテーターは、コガネブリュワリー 梶原 伸介さん。

大手前通りは、姫路駅から姫路城に向けて一直線に伸びるメインストリート。全国で初めて公募によって占用者が決定した事例でもあり、2022年8月から、「大手前通り街づくり協議会」が占用主体となってほこみち運用をはじめています。

梶原さんは、大手前通りのウォーカブル化に向けた社会実験に関わるなかで、通りに対しプレイヤーとして現場に参画して未来を切り開いていきたい!という思いをもったことから、自分自身が大手前通りに面したビール醸造店koganeを構えることになりました。4年前から続けてきた道路活用の取り組みが、だんだんと日常化してきていることを実感しているそうです。日常を楽しみながら、少しずつアップデートしていくことが大事と語りました。

梶原さんのプレゼンテーション動画はこちらから

2.仙台市 定禅寺通り

プレゼンテーターは、仙台市 一般社団法人 定禅寺通エリアマネジメント 榊原 進さん、仙台市 髙橋 勝美さん。

豊かなパブリックスペースが広がる仙台市のなかでも、市道定禅寺通線(愛称:定禅寺通り、以下定禅寺通り)は大きなケヤキ並木が印象的なストリートです。戦災復興を経て、段階的に整備・空間活用にされながら変化してきたなかで、2022年7月にほこみち指定されました。

定禅寺通りは、2030年までに実現したいストリートイメージを共有し、都市の軸線として定禅寺リビングストリートなどの社会実験を繰り返しながら、道路活用のチャレンジを進めています。次なる挑戦は、第3変態として、道路の片側1車線を削減し、より「ひと中心の都市づくり」をさらに進めていくことと語りました。

榊原さん、高橋さんのプレゼンテーション動画はこちらから

3.敦賀市 国道8号空活

プレゼンテーターは、敦賀市 都市整備部 北村 睦さん。福井県敦賀市では、2022年4月に指定された国道8号を中心とした「国8空活」の紹介がありました。空活とは、「空間利活用」の略で、空いている空間を利用・活用しようという活動のこと。

国道8号は、もともと4車線道路だったところを、交差点のコンパクト化等を伴う2車線化したことに伴って生まれた新しい広い歩道を活用するなどの取り組みが行われています。ここでは、キッチンカー出店の伴うマルシェ、音楽ライブイベント、季節ごとの大規模イベントなども実施されています。

国道8号の道路管理者は、近畿地方整備局(福井国道河川事務所)ですが、活用は敦賀市や市民団体などが協力して行っています。アートや音楽をテーマにした実証実験が行われるなど、これからますます変化が楽しみです。

敦賀市北村さんのプレゼンテーション動画はこちら

4. ウォーカブルシティ推進のポイント

ほこみちを推進する道路局と同じく、「ひと中心の都市づくり」を目指す都市局からウォーカブル施策の紹介です。プレゼンテーターは国土交通省都市局の松岡 里奈さん。

ウォーカブル施策を進める上で、3つのポイントが紹介されました。

1つめは、ウォーカブル≠歩きやすい(通過)だけの空間ではなく、滞留できる空間づくりをすること。

2つめは、各地の実践から、小さなことからまず実践してみること。ビジョンを共有しながら、自分ごととして取り組めることをやってみることが大事といいます。

3つめは、ハード整備を目的とするのではなく、人がいる空間づくりをすることが大事であるということ。「ひと」への思いを忘れずに取り組むことが重要だと語りました。

国土交通省都市局 松岡さんのプレゼンテーションはこちら

<後編>に続きます!